【クアラルンプール発】第3回 起業家インタビュー aboveu創業者兼CEO / QLOGO パーソナルスタイリスト 徳田 阿希さん
「”衣”を通して新しい自分との出会いを提供する」
aboveu創業者兼CEO / QLOGO パーソナルスタイリスト
徳田 阿希さん
こんにちは!起業家インタビュー第3回は、ファッションを通して今よりも素敵な自分になるきっかけをつくる、笑顔が素敵な起業家を取材し紹介していきます。
第3回 ゲスト:aboveu創業者兼CEO / QLOGO パーソナルスタイリスト 徳田 阿希さん
徳田 阿希 / Akki(とくだ あき)さん
パーソナルスタイリスト(カラー診断、骨格診断をお客様それぞれに合わせて診断し、お好みや予算に合わせてファッションのアドバイスやお買い物同行をします)
お家でゆっくり過ごす
マレーシアのフルーツ、チャークイティアオ
イポーの温泉、マラッカやボルネオ島
一期一会、笑う門には福来る
マレーシア初となるパーソナルカラープランディング ”QLOGO~黒衣~” をオープン
海外進出をしたいと思ったきっかけとマレーシアを選んだ理由を教えて下さい
19歳の時にアメリカ留学を経験し、その後日本で会社勤めをしていた24歳の頃に再度「アメリカで挑戦したい」という思いがありました。ですが実力も自信もなく、一人で行く勇気がありませんでした。その後ヨーロッパに興味を持ち、イタリア語を勉強し始めました。そして1度旅行でイタリアへ行ってみた所、感覚が少し違うというか、ここで仕事をするという意識を持てませんでした。しかし、海外に出て仕事をしたいという気持ちがずっと心のどこかにありました。
マレーシアは自分で選んだわけではなく、コロナが始まる前に新しい事業の親和性と日本ブランドの海外進出をお手伝いしたいと考え、アジアに興味を持ち始めていたところ、たまたま日本の取引先様からマレーシアのプロジェクトを紹介していただきました。美容系店舗が集結した新しいプロジェクトで、初めての海外展開、そしてマレーシアに出店するきっかけになりました。しかし結局そのプロジェクトが上手くいかず、突如終了となってしまいました。
正直なところ、1年以上かけて準備をしたプロジェクトだったので落ち込み、マレーシア撤退も考えていましたが、アメリカ、イタリアに行った時の感覚とは異なる、初めてマレーシアに来た時の「ここに住みたい!」という思いを大切にしたかったので、プロジェクトが終了になった後もマレーシアで出店するために場所を探しました。そしてご縁があって今の場所を繋いでいただき、お店をオープンする事が出来ました。
QLOGOは日本の伝統文化である着物にフォーカスしておられますが、マレーシアの方々の反応はどうですか?
お店をオープンした当初は、日本人の方に多くお越しいただきましたが、少しずつ現地の方も来てくださるようになりました。
新しい挑戦として、着物と中華系
デザインとの掛け合わせやムスリムの方向けのヒジャブのセットスタイルも製作していてマレーシア人の方々に喜んでもらっています。その中で「英語だけでなく、中国語やマレー語をもう少し上達したい」という思いが出てきました。
マレーシアでお店を始める中で一番大変だった事を教えて下さい
大変だった事はたくさんありました。自分自身が初めての海外進出で、日本の常識はマレーシアの常識ではなく、周りの方々に助けていただいていたことに改めて実感しました。
マレーシアに来て素敵な方々にも出会いましたが、1回目のプロジェクトが急になくなってしまったり、計画していた通りになかなか進まなかったりと大変なこともありました。知り合いが少ない海外で、どういう方と一緒に仕事をするべきかを自分でしっかり考えなければいけないと気づかされた経験でした。
新しいファッションの世界を創る
Akkiさんがファッションを通して伝えたい事は何ですか?
第一印象の80%がファッションで決まると言われていますが、それだけではなく人生さえも変えられると信じています。服は毎日着るものだからこそ着心地良く、また内面的に魅せたい自分を表現して欲しいです。
ファッションは自分らしさを伝える事、また自分をもっと美しく見せる事が出来ます。私はファッションを通して皆さんの最大限の美しさを表現して欲しいです
ファッションエコシステムを創ると拝見しましたが、具体的に教えてください
私が創りたいファッションエコシステムはファッションの新しい生態系で、その中にスタイリスト、作り手であるブランド(日本発の小規模のブランド)、お客様がいます。スタイリストがお客様の要望、スタイルを確認して、それに合わせて商品を提案すれば、作り手はお客様のスタイルや好みに合った服を作る事ができます。このシステムでは作り手は先に商品を大量に生産せずに済みます。
現在あるファッションの課題として、作り手は一生懸命作った商品を売りたいという思いがあり商品を作りますが、大量生産しないと生産コストが下がらない、またせっかく作ってもマーケティングが弱い部分があると思っています。そこで私たちが作り手とお客様を繋ぐ役割をして、お客様にそのブランドを好きになってもらえる事ができれば、必要なものを必要なだけ作るという受注生産の仕組みができます。
作り手は好きなものをお客様のために作り続けることができて、お客様は自分がより美しくなる為の自分磨きを楽しめて、スタイリストはそのお手伝いをし、それぞれに向上するプラットフォームになります。「私は素敵なブランドとお客様を繋ぐメッセンジャーでありたい」と思ってます。
大量生産、低価格のファストファッションとは反対の仕組みだと思いますが、Akkiさんはファストファッションについてどう思いますか?
ファストファッションで作った商品というのは、すべてサイズが固定されています。それを着てフィットすれば高見えしますが、体に合わなければあまり似合わない服だなという第一印象になってしまいます。価格が上がっても自分の好み、スタイルに合っている服を着ると良い第一印象に変わります。
また着る回数で考えると、例えば5千円の自分に似合わない服を1回だけ着るのと、5万円の自分の体に合った服を10回着るのであれば、1回着るあたりの価格は変わりません。さらに、5万円の服だったらもっと長く着られるかもしれません。そうすると、1回着るあたりの価格はさらに安くなります。
ですから価格の違いで服の価値が変わるのではなく、自分に似合っていて、自分が好きだと思える服に出会うことで大切に着ようと思っていただけて、服の価値も決まると思います。
「似合っていて、すごくかわいい!」この感覚があると、自分自身を好きになれて、自分自身を大切にすることに繋がると思います
ファッションの可能性を探す
これからマレーシアでやりたい事はありますか?
マレーシアに来る前は、ヨーロッパ、アメリカに行ってから、日本に戻ろうと考えていました。しかし、マレーシアでイスラム圏の方たちとお会いさせていただいた時に、すごくおしゃれな方が多いと感じました。今は、マレーシアが持つマレー系・中華系・インド系がいる多民族国家ならではの環境で、次のファッションが持つ可能性を探したいと思っています。
多民族国家だからこそ、いろいろなことを試せるのがマレーシアだと思います。ここで頑張れたら世界中どこに行っても通用するのではないかと考えています。
これから海外で働きたい、挑戦したい方へメッセージをお願いします
行ってみたい場所があれば、とりあえず行ってみてください。その場所へ実際に行って何を感じるかが大切だと思います。
私は24歳、28歳の時に憧れていたアメリカとイタリアに行ってみましたが、何かが違うなと思い日本に帰ってきました。反対に行ってみたらすごく良いな、ここで仕事がしたいという感覚を持てるかもしれません。とりあえず行ってみて、そこで自分の感覚を研ぎ澄ませてほしいです。
失敗をするとすごく悩みますが、「1秒でも楽しい方が幸せだ」と思い、切り替えてみて下さい。起こってしまった事は変えられません。落ち込まず、この状況で今何をすべきなのかに集中し頭を使うと良いと思います。
自分が選んできた道をどう正解にするかを考え、行動してみて下さい。
【インタビュアー】