奥深いインドネシアの芸術に触れる<デブダンショー>体験記その2【バリ島・アクティビティー情報】
アクロバットとダンスパフォーマンスで
各地の伝統文化や芸術を紹介する新しい形のショー
インドネシア出身の舞台芸術家リンドラ・ティニ女史が15年以上に渡り世界中で鑑賞してきた様々なパフォーマンスからインスピレーションを得て設立された「ヌサドゥアシアター」は2011年に設立後、バリ島ナンバー1のアトラクションとしてその名を馳せてきた。サンスクリット語で”神の恩恵”を意味する”デヴァ”と”ダナ”から名が付けられた「デブダン」は、舞台を通して神々からの贈り物であるインドネシアの多彩な文化を紹介することをコンセプトとし、90分の時間の中でバリ島からスマトラ、ジャワ、ボルネオ、そしてパプアの島々を巡りながら各地の特色を描いていく。お馴染みのバリ島ケチャダンスをはじめ、世界無形文化遺産に指定されているスマトラのサマンサダンスやジャワ島の宮廷舞踊など伝統舞踊を取り入れたダンスパフォーマンスが見事な上、建築物や芸術物を模した舞台セットや煌びやかな衣装、火や水を使った凝った舞台演出などの見所が随時に散りばめられて最後まで目が離せない。さらにはアクロバティックな空中バレエで2人の恋人が愛を伝え合う迫力のシーンや伝統とポップカルチャーが共存する現代を描いたヒップポップシーン、ダンサーが猿に扮して踊りを繰り広げるモンキーダンスシーンなど、様々な要素を取り入れることによって伝統舞踊という堅苦しさを微塵も感じさせない素晴らしい構成となっている。
チケット交換所、こちらで名前を伝えてチケットを受け取る
会場は19:00、民族衣装が飾られているエントランスでは記念撮影スペースもある
VIPシートのゲスト用にはラウンジも用意されていて待ち時間をここで過ごすことも可能
チケット料金の違いによってVIP席、A席、B席と場所が決められている
開演前の様子、開演後はビデオ・カメラの撮影は禁止されている
<主なあらすじ>
バリへ観光にやって来た2人の子供がツアーから逸れ、崖の上にある宝箱を見つけるところから物語は始まる。その宝箱の中から彼らが取り出したのは、バリヒンドゥーの正装の際に男性が頭にかぶる”ウダン”。そこからバリ島のシーンが繰り広げられていく。
<バリ島>
オダラン(寺院祭)や豊作祈願の踊りのシーンなど類稀なる宗教文化を持つ農耕民族バリ島ならではの光景が催される。最後のケチャダンスには実際の火が使われていて迫力満点。
収穫後に豊作の感謝や家族の健康と更なる発展を祈り、長いすりこぎを使って踊られるレスンダンス
男性合唱を用いたバリ島の伝統舞踊ケチャダンス、チャチャチャという独特のかけ声と火を使った迫力の演出が見事
<スマトラ>
次に子供達が宝箱から取り出したのは、極彩色と華やかな刺繍が特徴のスマトラを象徴する伝統織物ソンケット。野菜や果物、陶器などを売る市場のシーンからスマトラの舞台が始まる。大粒の雨が舞台に降り注ぐレインダンスや空中アクロバット、複数の男女がぴったりの息を合わせて踊るサマンサダンスなど、まだショーの序盤とは思えないほど一気にボルテージが上がる。
スマトラのアチェにあるガヨ高原に伝わる、アラビア語とガヨ語による歌とダンスのパフォーマンスで、全員の息がぴたりと合った動きは目の錯覚かと感じてしまうほど
伝統舞踊ではないがスマトラのシーンのクライマックスとなる空中アクロバット、厳しい訓練を受けたダンサーは命綱すらつけていないというのは驚きだ
<ジャワ>
次に宝箱から出てくるのは、ジャワ更紗のモチーフともなっている短剣(クリス)。ジャワでは男らしさや権力の象徴とされるもので、舞台では荒々しい男たちの戦いが繰り広げられる。やがて平和が訪れた舞台にはワヤンクリと呼ばれる影絵や女性達の華やかな宮廷舞踊が繰り広げられる。最後はヒップポップダンスで幕を閉じる。
思わずあっと息を飲んだ戦闘シーン、もちろん仕掛けはあるのだろうがあまりにリアルでちょっと不気味
17世紀に登場した神聖なる宮廷舞踊ブダヤダンスは1970年に解禁されるまで王とその家族のみが鑑賞を許されていたもの
<ボルネオ>※カリマンタン
海洋移民を起源とするボルネオ(カリマンタン)の象徴として宝箱から取り出されたのは大きなほら貝。カリマンタンのシーンではこのショー最大の見せ場ともいえる素晴らしいパフォーマンスの数々がめくるめくばかりに次々と繰り広げられる。独自の文化を誇るダヤック族の力強い踊り、神々しい照明演出がさらに神秘性を高めるウォーターダンス、そして夜明け前のダヤック村にて繰り広げられる美しいラブストーリー…美しいシーンから目が離せない。
先祖から伝わる狂気的な呪術を信仰してきたボルネオ島の原住民、ダヤック族の力強く神秘的なダンスパフォーマンス
ダヤックの港を舞台にとある漁師の悲運を描いたネット&ポールダンスは、宙吊りの網と竿を使って演じられる迫力満点の演目だ
夜明け前のダヤック村を舞台に、恋人同士がお互いをリボンで結び合いロマンティックな空中バレエを演じるシーンはショーの中でも最も美しく感動的な場面
<パプア>
最後に宝箱の中から出てきたのは、パプア島で男性器を覆うものとして着用されているコテカ。地球最後の秘境とも呼ばれるパプアのシーンは野性的でエネルギッシュな舞踊が催され、そして情熱的な余韻を残したままショーの幕が閉じる。
多彩な民族を持つインドネシアの中でも、ジャングルの中で近年まで原始的な生活を送っていたパプア族の独特の文化を垣間見ることができる
パプアのシーンが終わると出演者が一堂に会しフィナーレを迎える、ショーの間は一貫して撮影禁止だがこの時だけは撮影可
Devdan @ Nusadua Theatre
Komplek ITDC, Nusadua
Tel : 0361-770-197
https://www.devdanshow.com/jp/
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